3つのサッカーを紐解く

こんばんは、ある3つの監督について、私見を書かせてもらいます。

生まれの誇りと現役時代成功できなかったコンプレックスを持ったあるフランス人は、
日本人の勤勉さと適応能力に目をつけました。

彼が選んだのは、DDをベースにしたフィジカルを使わないサッカー、
前線からの高いプレスと高いラインを保ち、
相手がミスをしたら能力が低くても点が入る可能性のあるサッカーでした。
それは相手の戦術如何に関係なく自分達の決まった戦い方で先手を取るサッカーです。

ただそれを実行するには、勤勉さと適応能力、そして精神面の充実が必要でした。
彼は気に入った多くの選手にDHを経験させます。
彼のチームを完成させる為には、広い視野を持った選手が一人でも多く必要だったのです。
そして精神面。ここを鍛える為にピッチ以外での様々な経験を積ませます。
そしてこれらをクリアし、日本人に最も適していると思われるサッカーを作り上げました。
欧州や南米は勿論、モロッコやコートジボワールの文化では真似出来ないサッカーでした。

彼のサッカーは面白く、他チームの監督の目にとまり、
日本は一度は対戦したいチームとして認知されることになりました。
世界王者、欧州王者、南米王者、アフリカ王者、3大リーグの有るチームと、
予想以上に安い金額で試合を組むことが出来たのではないかと思っています。


あるクラブで短期間の監督経験を積んだあるブラジル人は、
プレスの無い場所で高い技術を見せる日本人に惚れ込み、
彼らに自分が現役時代にしてきた理想を追い求めました。

それは両SBのみが線の動きをし、
中央の選手は運動量や守備力より高い技術を持つことを重視した、
エレガントな点の動きをする南米大国のサッカーです。
しかし時は中央での自由な動きをさせない時代になっていた為、
彼の理想は脆くも崩れ去ります。

技術重視の中盤と、年齢が一気に上昇した好みの選手で作り上げたラインは、
別の南米の大国相手に脆くも崩れ去り、
以降、日本と戦う価値は無いとキャンセルをいれるチームが出たり、
本気のメンバーを揃えなかったり、
高額の試合代を目当てにするチームが増えました。

彼自身も戦い方を変えることを余儀なくされますが、
彼には南米大国のサッカー以外の情熱と形は存在しておらず、
ぶっつけの対処をし続けました。

結果、世界と対等に渡り合うには難しい守備陣と、
フィジカルを重視した攻撃的な2枚のDHの間に広大なスペースを作ってしまったり、
最終ラインから相手ゴールまでの距離が遠くなったことで、
効果的なプレスが掛からず前線の選手はすぐ疲れてしまう、
とてもではないが見せることの出来ないサッカーを作ってしまいました。


最後に、とあるバルカンの人ですが、
彼が目をつけたのは、もうひとつの日本人の有利な点、俊敏さでした。
元々世界を見渡してもスタミナ面は高いものを有している日本人ですから、
スタミナ+俊敏さを前面に出したサッカーを作り上げようと考えています。

それと同時に、前任者が失敗し、前々任者が最初から捨てた、
守備の文化(後手を踏んでも戦える)を植えつける作業に着手しています。

彼は、上記の2点の特徴を、相手を封じる武器として活かそうと考えています。
前の2人と大きく違うのは、自分達のやり方で立ち向かうのではなく、
相手の特徴に合わせた戦い方で立ち向かうということです。

判断力を磨かせ、スタミナと俊敏性を武器に、相手を封じていける、
ややパス精度の高いどのポジションにでも入れるガットゥーソという表現でしょうか。
ガットゥーソよりはユ・サンチョルが近いかもしれません。
彼はフィジカルがありましたが…。

そういう選手をたくさん育て上げて、
守備の文化を持てるサッカーを作っていこうと考えています。
彼の戦いが成功に終わるか、失敗に終わるかは後に分かるでしょう。


3人のうち1人は、外の人に日本人のするサッカーに興味を持たせることに成功しました。
リップサービスではなく本当にやり辛い相手と認識してもらえました。
1人は、彼自身の名声での戦いは申し込んでもらえるものの、
日本人のするサッカーに興味を持たせることには失敗しました。
といいますか、地に落としてしまいました。
いいサッカーをしている、未来のサッカーだ、とお世辞しか頂けませんでした。

1人は、1人が地に落としてしまった汚名を返上するところから始めています。
前任者の失敗の代償は大きく、良い試合を得られるには数年掛かる可能性があります。
その中でチームを作り上げていかなければなりません。

彼の戦い方が日本人に向いているかはまだ分かりません。
ですが、やってもらわなければ困ります。
近年の日本は、誇りを失いつつあります。
彼の戦いは日本人の誇りを取り戻す為の戦いなのですから。

オーバー。
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by awi-syuwdow | 2007-06-22 03:55 | 日本代表  

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