W杯3次予選vsタイ【相乗効果を生み出そう】

さぁ、日本にとっての2010年W杯出場をかけた予選が始まりました。
と言っても今回の予選は激しさを増す最終予選ではなく、日本が圧倒的にレベル差を見せ付けれるであろう3次予選。

今回の相手は、2004年アジアカップでオマーンに0-2で破れての4位(勝ち点0)から、2006年同大会で同国を2-0で破り、2年前の雪辱を果した登り調子のタイ。(イラクともドロー。)
アマチュア主体ながらもマンチェスター・Cのタクシンオーナー(元タイ国首相)との縁で強化合宿も多めに取り気が抜けない。「勝って兜の緒を締めよ」と叫んだが、タイの現状は…実は…。

組織力を挙げて「秘策がある」と謳い、乗り込んできたもののアウェーの慣れない雪や練習の出来ない練習場というアウェーの洗礼に戸惑う。この洗礼で確実にタイ国民にとって日本の印象は悪くなっただろう。

そして核の選手4名(7名とも言っていたが…)を欠く状態。特に来日してから分かったDHの2名は痛すぎる。このマッチにおいては育ててきた組織力も秘策も水の泡に等しい。

ましてや日本は31+2もあるプロクラブという「層」と「質」の中から選りすぐられた精鋭達である。Jの15年の歴史が育んできた基本戦術が根底にあり、オシム時代には世代交代も成功している。一人二人欠けた所で「機能不全」や「総合力の大幅低下」ということは有り得ない。

サッカーは下克上が醍醐味のスポーツだが、どんな戦い方をしても機能不全のタイが日本に勝つ姿は想像しがたい。

日本代表は「しっかり勝って」、「内容」で圧倒することが必要である。真摯なサッカーを見せつけ友好的な姿を見せた上で、過去から酸っぱく書いているが、今後10年は立ち向かえないと思わせる必要がある。


【採点】 タイの強さ:3/10

川口能活:5.5:見せ場が少ないだけに得点は阻止したかった。より統率力を。

中澤佑二:6.0:守備で精彩を欠くが、攻撃面ではボンバーヘッドで2点に絡む。
阿部勇樹:6.0:守備に奔走し窮屈な印象。両SBの裏や中澤不在時を一人でケアした。
内田篤人:4.0:守備放棄で苦労をかける、その割にはチャンスメイクも出来ず。
駒野友一:5.5:左サイドでバランスを取る。クロスの精度はイマイチもシュートで脅かす。

鈴木啓太:5.5:阿部と同じく広範囲を守る。釣り出されて失点の元に…責められない。
中村憲剛:6.5:右で輝けずも左に移り、高い能力を存分に発揮。2得点に絡む。
遠藤保仁:7.5:自身の不調と内田の攻撃に見切りをつけ、憲剛を生かす。MVP。
山瀬功治:5.5:殆どの時間で動けずガス切れ。ただし、2点目の元となった突破は見事。
→巻誠一郎:6.0:強行出場。結果は出したが悪化が心配である。

大久保嘉人:6.0:効果的な動きが出来ず苦しむ。楔役ではないよね、1得点。
→羽生直剛:--:採点なし。疲れた大久保に代わって投入。
高原直泰:5.0:張る場所で張らずサイドに逃げる。味方との相乗効果が全く生まれず。
→播戸竜二:6.0:得点こそは無かったが、短い時間で相手をかき回し、流れを作る。

岡田監督:6.0:不安定となった試合の流れをセットプレイで断ち切る。ただ不安定にしてしまった要因に彼の手腕が有り、また采配による実りも少ない。


【戦評】

やはりこのダイヤモンドサッカーは何処かに手を加えるか、諦めるかしなければならないだろう。

守備面だが、阿部と啓太の負担が大きすぎる。
タイ相手でさえ付け込む隙を作ってしまうのは考え物だ。SBの上がった裏を守るも人手が足りず、判断を間違うと、中央にぽっかり穴が出来てしまう。かといって空いたままにしておくとボスニア戦のようにSBの裏をカウンターの起点にされてしまう。変化を生み出さなければ最終予選でジーコジャパンのイラン戦やオーストラリア戦のようなシーンが頻発するだろう。

攻撃は、FWがプレスをかけ、サイドに逃げたボールをゾーンプレスで囲んで奪い、「素早くFWに預けて突破」から、「FWに預けて、戻し、サイドを展開して再度FWに」に変化したが、手数が増えただけでメリットは少ない。むしろ、前線の運動量切れやSBが受ける際の後ろの膨大なスペースが怖い。

ここ、3戦で交替した選手は何れも「プレスに疲れ果てた」前線の選手である。(※初代表の緩和としての内田→加地と怪我の巻は除く)戦術を遂行する為に交代3枠を使ってしまっており、変化を生み出すのが難しい。90分、規定のメンバーで戦える策をとり、3枠は勝負処で使える様にして欲しいものだ。


選手に目を向けてみると、もっとも光ったのは「遠藤」だろう。
自身のいる左サイドから右へボールを動かし、内田を使うも機能しづらい、また内田の後を中澤ではカバーしづらいと見ると、憲剛と位置を交代。右でキープし左の駒野と移った憲剛そして阿部のカバーを生かす。さらに、自身のキックの不調に見切りをつけキッカーも憲剛へ、「悪くても勝つ」戦術眼を見せる姿は名波を凌ぐかのようだ。伊達に「7番」は背負ってない。

「憲剛」と「啓太」を足した三角形もバランスが良い。
3人とも守備面で大幅に気を使うことにもなったが、彼ら3名はこの予選での日本の核になるのは間違いないだろう。出来ることなら「阿部」を中盤に加えて「数的優位」も使いこなして欲しいが…。
そうすれば4点目の「中澤囮で巻」を、「中澤と巻を囮で阿部」という形も作れる。相手の屈強なDFも2枚までなら「阿部」の所で打ち勝てる。

逆に残念だったのが、「高原」か。
得点能力は申し分ないのだけど、彼が流れて大久保が「巻の代わり」というのは…逆ではないか。決してコンディションは悪くは無い、問題はオフザボールの質だろう。守備時はプレスを掛ける、サイドや後ろに流れずに中央で競り細かく掻き乱す、と言った感覚が他の選手に比べて薄い。どうしてもサイドや後ろに大きく流れて一回受け、そこから得点を狙うと言う一本調子が変わらない。得点能力は申し分が無いのだから味方を活かし時には自分も活かされると言う「相乗効果」を生み出せるFWになって欲しいところだ。

オーバー。
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by awi-syuwdow | 2008-02-10 23:13 | 日本代表  

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