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現代表を分析する【戦略編その1】

アジアカップ終わったので総括です。

表の結果は、韓国にPK戦で敗れて4位という結果でした。
世論は千差万別ありますが良いサッカーはしていたなと個人的に感じています。
まー私は辛口なので、良いと言いながら批判?しますがw


この1年のサッカーには満足しているか?点数をつけるとしたらどれくらい?

蹴導の満足度は100点満点の55点でしょうか。

プラス面は、選手選考と非凡なスカウティング、
そして忘れてはいけないプロセス、これも素晴らしいものでした。

後の文で書きますが、
結果としてJリーグの活性化を促すことが出来ていると感じますし、
将来の卵達の層が厚くなり始めていると感じます。
こういう点は満足してます。

点数が低くなった要因は、アジアカップで結果が残せなかったからではなく、
チームに還元できない選手を数名呼び戻し、彼らが核になることを止めれなかったこと。
また育成と結果を天秤に掛けて彼らの力を持っての結果を望んだ為、
大事なところで共通理解が出来なかったことは減点材料です。
時間と共に良くなっていく(戦術自体はすでにかなりのレベルだと感じます)と思いますが、


一番の減点材料はここなのですが…、
トルシエと同じく「マスメディアを敵に回してしまっていること」でしょう。

TVや新聞社といった系のマスメディア(一方的に情報を伝えれる媒体)は、
元々の属性がアンチサッカー(他のスポーツ文化が根付いているので、守る為にアンチする。)
なのは言うまでも無いんですが、
前監督での大敗以降、各報道の1面もしくは終面で取り扱うことが少なくなってきました。
これはサッカーが決してマスメディアに+に働かないと言うことと、
(※地域色が強すぎる為、全国で旗になる選手を選びにくい=扱いにくい。)
前述の他スポーツを元々サポートしていたということがあるのでしょう。
ローカルなマスメディアや地方自体からしたら非常に+なんですがね。
ポジティブなサッカーニュース程取り扱わない姿勢が見て取れるのは残念です。

特に今回は、「外国人監督が続いている為」マスメディア以上に、
日本人監督経験者が非協力である部分が多々見受けられますね。
某緑の初代監督などテレビで批判してますし…。
トルシエの時はU世代で結果を出すという荒行でバッシングを一掃しましたが、
オシムの場合、核となるポイントを得る機会が暫く無いので、
(じっくり作業を進められますが)彼らが足かせになる可能性が非常に高いと感じてます。
なのでここに大幅なマイナスを加えました。

比較対象として、
トルシエは最初の一年(コパアメリカとその後の対応)で、
「ああ、なるほど」と頷ける形を見せてもらったので、
初年度で70点ぐらいと感じてました。
ワールドユースとシドニー以降はもう100%信頼してましたね。

逆にジーコ時代は、
時代に逆行するサッカー(戦術戦略だけではなくマネジメントも)を展開していたので、
点数をつけることすら出来ませんでした。
蹴導が最初から危惧していたことが現在現実に起こっています。
優秀な才能を持った選手がたくさん出てきているのに、
経験が足りなく代表で力を出し切れていないということと、
足元の技術がある選手を神聖化しすぎていて敬遠してしまう部分が見受けられることです。

トルコ(クラブ)で結果を残した今でさえ、彼は監督タイプではないと思っています。

彼は80年代サッカーの優秀な選手であり、優秀なGMです。
彼がいるだけで有力なブラジル人が安い年棒で集いますからね、
相乗効果で有力なブラジル人から学んだ優秀な選手が生まれてきます。
日本ではマジーニョ、レオナルド、ジョルジーニョ…
ジーコが来てから多くの有力選手が彼の元に、また他クラブに来日しました。
そして柳沢、小笠原、中田浩二といった選手が台頭してきて、代表に還元されてましたね。


ここまでのプロセスを語って欲しい。

まず、監督が教えたことのある選手を中心に、Jリーグで活躍している選手を招集しました。

またトルシエのときと同じように多くの選手を招集し、試しました。
トルシエの時は自分の戦い方にあった即戦力の選手を見つける為でしたが、
オシムの場合は、考えが違いました。
2010年以降を見据えた上でベテラン選手を殆ど招集しないという行動に出ました。
これは前監督の負の遺産を早く処理したかったということでしょう。
前監督の負の遺産、
それは若手の国際経験の不足と、足元の技術が無いと代表に呼ばれないという誤解です。

足元の技術ではなく、冷静さ、高さ、速さ、サッカーセンス、多分野において才能の有る、
なるべく多くの若手選手に国際経験を積ませておく為に、試合に出させます。
一度呼ばれた選手はすぐに代表から外されたとしても、自分ならどうするかを必ず考えます。
2年後、3年後、再び台頭してきたときにその経験が役立つのでしょう。
多くの選手を呼び、種を蒔き、出てきた芽を摘む準備はしていると感じます。

そういうサイドを考えながら、着実にチームが作られていっていますが、
アジアカップは難しい難題を得てしまいましたね。
呼び戻した選手が個の力は見せ付けるのですが、組織の育成を侵害してしまいました。
協会側の不手際による疲労という問題点と共に、
彼らの経験値と存在感(リーダーシップではない、暗黙の存在感というものです)が、
それまでで力を発揮してきた選手のアイデアを奪ってしまいました。
リーダーシップのあるベテランが呼ばれれば良かったのですが、
…殆どが引退間近、最も才能のあった人材も昨年引退してしまいましたしね。

経験の有る個のベテランと経験の浅い多方面で才能の有る若手、
日本とオシムの作るサッカーは、両方を融合し昇華させるという段階に入ったと言えます。


Jリーグにも変化はあるか?
ありますが、「考えて走るサッカー」を、
多くのクラブが実践しようとしているということではないです。

4年前までと大きく変わったのは、Jリーグが1つの完成をしたことだと感じます。
一部のクラブだけが大きく人気を集めているわけではなく、
地元のクラブを応援する風潮がより高まってきていると感じます。

昔は、住んでいるところに限らず、
「代表>ヴェルディ、マリノス、ジュビロ、アントラーズ>その他」でしたが、
今は多くの街にクラブが存在していて、
「自分のクラブ>代表>その他のクラブ」になってます。

結果として「代表離れ」が進んでいます。
コアなファンはサポーターとして、地元のクラブを応援し、
勿論自分のクラブの選手が代表で活躍し、結果を残せば代表を応援しますが、
自分のクラブの選手が選ばれず、
代表で活躍しそこねた他クラブの選手を使い続けると「うちのが上でしょ?」という感じになる。

クラブの選手が選ばれてるか、活躍させて貰ってるかで、
関係が「代表=自分のクラブ>他クラブ」にも、
「自分のクラブ>代表=他クラブ」にもなり得ます。

勿論、他クラブの数の方が多いわけで、代表人気は必然的に下がるのです。
それは何処のサッカー先進国においても同じことでしょう。


現在の代表のサッカーだが、どういう点において良い傾向が現れているのか?
1つは、選手層の厚さでしょうね。
多くの方が指摘するように、(過去の代表に比べて)確かに今の層は薄いのですが、
今までの選手で3年後を戦った「後」のコトを考えてみましょう。
していなかった世代交代をして、戦力ダウンを最低限にする時期は、
今がギリギリだったんではないでしょうか。
苦しみながらもそれを実行した為、
今後他国と差をつける為の(どの監督が来ても嗜好の選手をピックアップすれば戦える)層は、
下ることは無いと思われます。

次回に続く。

by awi-syuwdow | 2007-08-04 15:02 | 日本代表  

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