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とうとう、この日が…至高のボランチが堂々と引退。

昨年、城がユニフォームを脱ぎ、今年も奈良橋が、秋田が、98W杯の選手達が引退していった。

その中で、来季の移籍先が気になる選手が居た。

横浜フリューゲルスの「顔」と言える選手であり、絶妙のポジショニングで、ゲームメイクをしながら相手のカウンターを未然に防ぐという広い視野と戦術眼を持ち、攻守に亘って貢献したDH。彼の隆盛と共に、ボランチという名称が日本に定着していく。(※1)

フリューゲルス時代のサンパイオと組んだドイスボランチは、磐田の名波&ドゥンガを抑えて、日本最高のダブルボランチと称された。(※2)

勿論、彼は日本が初めてW杯に出ることが出来た98W杯の選手でもあった。
日韓戦、いや日本サッカー史上に残る伝説のループシュートを記憶に留めている人も多いだろう。「時間(とき)の支配者」と言う二つ名に相応しいゴールであった。
また、川口、井原、そして彼が並ぶ日本の中央線は簡単に相手の突破を許さなかった。ジョホールバルでのイラン戦、幾度と無く襲い掛かるイランのカウンターを止め続けたのは彼である。98W杯を見た外国の記者達は「彼のチームだ」と口を揃えて語った。

彼はフリューゲルス消滅後、名古屋、新潟で活躍し、昨年、一昨年は彼が大好きな三ツ沢をホームとする横浜FCで活躍、中心選手としてJ1昇格に貢献した。今季は出番が少なくなったが、記憶に新しい最終節の浦和戦においても卓越したゲーム感覚を見せ、クラブの勝利に貢献した。

しかし、今季、多数の選手の入れ替え、レンタルをした横浜FCにとって彼の年棒は辛かったのだろう。彼は戦力外通告となった。(※3)

彼の来季の移籍先が気になっていた。オファーがある限り彼は頑張るのだろう、だが、三ツ沢を2度離れてまで行きたい場所があるのだろうか?と。

昨日、彼、山口素弘は来季の去就について会見を開いた。
「十分やったかなと思いました。」
「胸を張って堂々と引退したいと思います。」

日本代表で58試合、Jリーグ通算468試合(JSL時代を含めると490試合)、カップ戦を含めると585試合、Jリーガー唯一の15年連続開幕戦出場を成し遂げた偉大な選手がユニフォームを脱ぐ決断をした。

「(サッカーをしていて)体よりも頭が疲れる」「試合が終わる。ゴールを決めた人間は気持ちがいい。ゼロで抑えたディフェンダーにも充実感がある。でもボランチは勝っても負けても反省ばかり。あそこはこうしておけばよかったって」と語った彼。来季はピッチ内でその勇姿を見ることが出来ないが、彼の記憶は私の生涯消えることは無いだろう。

心残りは…やはり後継者と言われる選手が出てこなかったことだろうか。(※4)
だが、きっと出てくるに違いない。記者会見の中で「(監督は)興味は前からあったので、やってみたいと思っています」と語った彼のこと。監督として新たな沢山の後継者を輩出してくれるはずである。

彼の次のラウンドが楽しみである。

…三ツ沢の管理人になっているかもしれないとも語っていたが(笑)

オーバー。

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※1:実際は森保氏の時からボランチという言葉はメジャーに。彼はアンカーだと思うけど…。
※2:ドイスボランチは二人のDHが縦に並び、お互いの立場を入れ替わりながら飛び込む(誘い込む)スペースやゲームを作っていく。日本最高の~は個人的にそう思ってる…磐田のサポは首を縦に振らないかな^^;
※3:最終節の浦和戦前に解雇は決まっていたが、彼や同じく解雇が決まっていた小村、岩倉、坂井というメンバーは試合に出場した。恐らく話し合って決めたのだろう。ここ辺りにフリューゲルス魂が垣間見える。
※4:1年という短い時間だったが、ヤット(遠藤保仁)はモトさんとサンパイオとのおかげで今の自分があると語っている。

by awi-syuwdow | 2007-12-15 19:40 | サッカーコラム  

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